アルミについて
アルミのいちばんの特性は『軽い』ということです。 合金にすることで、強くしたり、加工性、耐食性などに優れた合金にもなります。 また、電気を通しやすく熱もよく伝える特性などもあり、様々な分野で使われる材料となります。 身近なところでは1円玉にも使用されています。
アルミの特徴

軽い
アルミの比重は2.7となり、鉄(7.8)や銅(8.9)と比べると約1/3の比重です。軽量な特性を生かし、航空機、自動車など幅広い分野で使われています。

強い
純アルミに他の金属を添加することで、高強度のアルミ合金を生成することができる。軽量かつ強い材料とすることで、構造物などの材料としても注目されています。

加工性がよい
加工性に優れるアルミは、小さな形状の部品や薄肉の加工、複雑な形状の成形加工が行えます。成形後の追加工も比較的容易で、幅広い産業で使われています。

電気をよく通す
伝導率は銅の約60%と劣るものの、比重が約1/3のため、同じ重さの銅に比べて2倍の電流を通します。高電圧送電線の他、各分野での需要も伸びています。

磁気を帯びない
磁場に影響されない特性と、アルミのほかの特性を組み合わせることで、電子医療機器、リニアモーターカーなど様々な用途の製品に加工し生かされています。

熱をよく伝える
熱伝導率は鉄の約3倍です。熱しやすく冷めやすいという性質から鍋などの日用品や飲料缶、冷暖房装置、放熱を目的としたヒートシンクなどにも採用されています。

低温に強い
極低温下でも靭性(粘り強さ)が大きいのが特長で、アルミは低温ほど強度が増します。宇宙開発やバイオ技術、極低温の超電導関連の最先端分野でも活躍しています。

耐食性に優れる
空気中で自然に酸化皮膜を生成し、腐食を自然に防ぎます。鉄鋼のように赤さびを生じることがないので建築、自動車、船舶などの分野で多いに生かされています。

リサイクルしやすい
融点が低くく、溶かして簡単に再生加工ができます。再生地金をつくるのに必要なエネルギーは、新地金と比べて3%と削減でき経済的な材料だといえます。
アルミ合金の種類
アルミ合金には純アルミと他の元素を添加することにより性質を変える特徴があり、添加する元素ごとにそれぞれ区分けされます。
添加される元素ごとにさまざまな特性を持ち、用途に合わせてアルミ合金として使われます。
A1000 純アルミ |
純アルミ 加工性、耐食性、溶接性、電気・熱の伝導性に優れ、反射板、装飾品、容器、電気器具などに用いられるが強度が低いため構造材に適していません。 |
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A2000 Al-Cu系 |
アルミ・銅 鋼材に匹敵する強度を持ち、航空機、輸送機器、機械部品、構造材に適しますが、耐食性に劣り、腐蝕環境下では防食処理を要します。 |
A3000 Al-Mn系 |
アルミ・マンガン 耐食性を低下させることなく、強度を少し増加させたもので、加工性は少し劣るが、器物、建材、容器などに広い用途があります。 |
A4000 Al-Si系 |
アルミ・ケイ素 溶融温度が低いため、ろう材、溶接ワイヤーとして使用されています。また、鍛造ピストン材料とし用いられている4032合金もあります。 |
A5000 Al-Mg系 |
アルミ・マグネシウム Mg添加量の少ないものは、装飾用材、建材、器物用材に、多いものは構造材として使用され、5052合金は加工性良好でもっとも一般的な材料となります。 |
A6000 Al-Mg-Si系 |
アルミ・マグネシウム・ケイ素 強度、耐食性とも良好で各種構造用材として多用されています。また、6063合金は優れた押出性を備え、建材関係、アルミサッシなどに使用されています。 |
A7000 Al-Zn-Mg系 |
アルミ・亜鉛・マグネシウム 7075合金は超々ジェラルミンと呼ばれ、アルミニウム合金の中で最高の強度で、航空機やスポーツ用具に使われています。 |
アルミ合金型番について
【A5052P】という型番にも意味がありますので、それを理解したうえで材料を見るもの違った面白さがあるかもしれません。A5052Pを例に下記ご参考ください。
アルミ板と合わせて表記されることが多い A5052Pの【A】はアルミニウムを示し、【P】は板あるいは円板などを示します。
【P】の表記については当サイト内では板材を販売していることから省略している部分もあります。
5052の先頭の【5】は、合金の種類を指し、5000系のアルミニウム合金を表します。2番目の【0】は、制定順位、合金の改良型を表し、【0】であれば、基本合金、1~9は合金の改良型であることを表します。下二桁の【52】は合金の識別を表します。ただし、合金番号が【1】の場合は、小数点以下2桁の純度を表します。
また、当サイトでは省略させて頂いておりますが、A5052P-H34といったように、Pの後に表記される記号と数字があります。
このH34とは、調質を表し、T○○、H○○といったように書かれることもあります。
当店のアルミ板は調質【H34】となり、冷間加工後、加熱により150℃位で安定化処理をし、1/2硬質となります。調質についても、いろいろ種類がありますので、合間を見て、アップ出来たらと思います。